第1回口頭弁論期日 法廷での手錠腰縄は違憲・違法 国家賠償請求

2018年4月20日(金)大阪地方裁判所407号法廷で、
手錠腰縄国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論期日がありました。

以下の報道にあるように、原告の意見陳述は代理人弁護士(当職)が代読しました。
拘置所が原告の出廷を認めなかったためです。

代読になったのは大変問題です。
刑事収容施設等の被収容者が第1回口頭弁論期日での意見陳述のために出廷できないのは、
「裁判を受ける権利」(憲法32条)や「適正手続」(憲法31条)の観点から極めて問題です。
少なくとも、出廷できないことが当然視されるべきではありません。

また、当然のように行われる所在尋問(尋問のために裁判官が収容所等におでかけする)も問題です。

なお、日弁連が2007年に意見書を出しているようです。
「刑事被拘禁者が民事訴訟に出廷できない運用の改善を求める意見書」
https://www.nichibenren.or.jp/…/op…/report/data/071024_2.pdf

 

NHK 04月20日 11時37分 法廷での手錠・腰縄訴訟で初弁論

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180420/3972431.html
刑事裁判の法廷で手錠や腰縄をつけられた姿をさらされ尊厳を傷つけられたとして、元受刑者の男性などが国に賠償を求めている裁判が20日から始まり、本人が書面で無罪推定の原則に反するとし、「人権を無視した制度で一日も早く変えてほしい」と訴えました。
覚醒剤取締法違反の罪で服役した30代の元受刑者の男性など2人は、刑事裁判で法廷に出はいりした際に手錠や腰縄をつけられた姿を傍聴人にさらされ尊厳を傷つけられたとし、こうした扱いは無罪推定の原則にも反するとして国に合わせて50万円の賠償を求めています。
刑事訴訟法は裁判で体を拘束することを禁じていますが、刑事収容施設法では護送の際などに手錠や腰縄を使うことができるとしています。
20日から大阪地方裁判所で始まった民事裁判では、訴えた本人の書面を弁護士が代読し、「手錠や腰縄をされた姿を家族などに見られるのは苦痛だ。明らかに罪人と見られてしまう扱いで、人権を無視した制度は一日も早く変えるべきだ」と訴えました。
一方、国は争う姿勢を示しました。
法廷での手錠や腰縄の使用については、近畿弁護士会連合会が逃走など具体的なおそれがないかぎり裁判所に撤廃を求めていくと決議するなど、見直しを求める動きが出ています。

弁護士中井雅人