【勝訴】大椿ゆうこ議員が渡邊臥龍氏から名誉毀損で提訴されていた事件 上告棄却・不受理決定

声明

 2025年4月25日、最高裁判所(第2小法廷 尾島明裁判長)は、渡邊臥龍こと渡邊昇氏が大椿ゆうこ氏に対し提起していた名誉毀損に基づく損害賠償請求訴訟について、渡邊氏による上告を棄却、上告受理申立てを不受理とし、当該事件について2024年10月16日東京高裁判決が確定することとなった。

 この事件は、2022年9月25日、大阪難波駅前での街宣時の大椿氏による発言について、渡邊氏への名誉毀損が成立するか否か等が争点となっていた。渡邊氏が問題視した発言内容は、(1)「ヘイトスピーチする渡邊臥龍といっしょに、あんた、やってたでしょ」、(2)「渡邊臥龍というヘイトスピーチ、排外主義者とともに、あなたは動画を撮って、配信していましたよね」、(3)「ヘイトスピーチをしている人です、渡邊臥龍という、ヘイトスピーチをしている人と一緒に、あなたは辻元清美さんを追っかけて、動画を配信していた」、(4)「渡邊臥龍は、ヘイトスピーチをやってきている、と言っているんです」、(5)「そして、彼と共にやっていた人は、渡邊臥龍という人、排外主義者、ヘイトスピーチを繰り返している人です」というものであった(街宣終了後に福島党首を執拗に追い回す者がおり、それを契機とした発言。)。
2024年5月24日、さいたま地裁は、「被告が本件発言の前提としている事実は、いずれも真実」として、名誉毀損としての違法性を否定し、渡邊氏の請求を棄却した。同年10月16日、東京高裁も原判決を維持し、控訴を棄却した。

 まず、地裁判決が、「被告が本件発言の前提としている事実は、いずれも真実」として的確な事実認定をし、名誉毀損としての違法性を否定したことを評価する。

 また、高裁判決は、「控訴人の上記の主張は、意見ないし論評の表明による名誉毀損の免責要件として、意見ないし論評の内容の合理性を要求するものであり、そもそも当裁判所の採用するところではない…」と当然の理を示しつつ、あえて、「上記の各事実を前提として控訴人がヘイトスピーチを繰り返しており排外主義者である旨の意見を述べることが合理性を欠くともいえない」と判示している。名誉毀損の成否を決する上で発言の「合理性」を判断する必要はないにもかかわらず、それでもあえて、大椿氏の発言が「合理性を欠くともいえない」としたのは、裁判所なりに差別を許さないというメッセージを発したと読み取ることもできる。

 もっとも、本件は上記判示内容からも明らかなとおり、およそ名誉毀損が成立し得ない事案である一方、渡邊氏が「twitterで好き放題言い放つパヨクに法的責任を取らせましょう。」「訴えられたことを自己批判しなさい(笑)」等とインターネット上で述べてきたことから見える本件訴訟の動機・目的や応訴の負担を考慮すると、提訴などするべきではなかったと批判せざるを得ない。これは今後の社会的課題でもある。

2025年4月28日
大椿ゆうこ代理人 弁護士中井雅人

20250428代理人声明.pdf

 

報道

神奈川新聞2024年6月7日(金) 05:00

レイシスト批判訴訟 大椿氏の発言「違法性なし」 さいたま地裁

CRACtube 2024/05/30

NoHateTV Vol.272 – 「二重国籍ガー」の虚構 7:17~本件第一審さいたま地裁判決に関するインタビュー等