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大阪入国管理局職員らの違法な捜索行為について刑事告訴

本日(2017年9月1日)、大阪地方検察庁に対し、大阪入国管理局職員らの違法な捜索行為について刑事告訴しました。
日本国憲法・入管法に違反する捜索行為であり、かつ、刑法に違反する行為です。

日本国憲法
35条1項 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
 同条2項 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

入管法第28条  入国警備官は、違反調査の目的を達するため必要な取調べをすることができる。ただし、強制の処分は、この章及び第八章に特別の規定がある場合でなければすることができない。

入管法第31条  入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、その所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官の許可を得て、臨検、捜索又は押収をすることができる。

「入国管理局」については「入国管理局による収容とは何か」もご参照ください。

NHK 09月01日 19時23分
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20170901/3543521.html
違法捜索の疑い 入管職員を告訴
大阪入国管理局に収容されているベトナム人の男性が、本人の同意や裁判所の令状がないのに違法にアパートを捜索されたなどとして、住居侵入などの疑いで入国管理局の職員らに対する告訴状を1日、大阪地方検察庁に提出しました。
弁護士によりますと、大阪・大東市のアパートで暮らしていたベトナム国籍の32歳の男性は、平成19年に留学目的で入国しましたが、ビザが切れたことなどから強制送還に向けた手続きがとられ、ことし6月、大阪入国管理局に収容されました。
その際、パスポートを提示しなかったため、入国管理局は提出を受けていたアパートの鍵を使って強制的に立ち入り、パスポートを捜索したということで、男性は、本人の同意も裁判所の令状もないのに捜索をしたのは違法だとしています。
また、強制送還に向けた手続きが終わっているのに捜索をしたのも、出入国管理法上、違法な対応だったとして、住居侵入などの疑いで入国管理局の職員5人に対する告訴状を1日、大阪地方検察庁に提出しました。
弁護士によりますと、男性は違法な捜索で精神的な苦痛を受けたとして、近く、国に賠償を求める裁判を起こすということです。
これについて大阪入国管理局は、「個別の案件についてはコメントできない」としています。
大阪入国管理局が違法な対応をしたという指摘が出ていることについて、大阪大学法科大学院の水谷規男教授は、「憲法上、個人の家には公権力の立ち入りが許されず、それを破る際は特別な根拠や手続きが必要だ。今回のケースは、入管の職員のコンプライアンスの問題で、法律に従う意識が徹底されていなかった可能性がある」としています。

NHK 09月01日 07時11分
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20170901/3490761.html
大阪入国管理局職員を告訴へ
弁護士によりますと、大阪・大東市のアパートで暮らしていたベトナム国籍の32歳の男性は、平成19年に留学目的で入国しましたが、ビザが切れたことなどから強制送還に向けた手続きがとられ、ことし6月、大阪入国管理局に収容されました。
その際パスポートを提示しなかったため、入国管理局は提出を受けていたアパートの鍵を使って強制的に立ち入りパスポートを捜索したということで、男性は、本人の同意も裁判所の令状もないのに捜索をしたのは違法だとしています。
さらに、強制送還に向けた手続きが終わっているのに捜索をしたのも、出入国管理法上、違法な対応だったとして、捜索にあたったとする入国管理局の職員5人を1日にも住居侵入などの疑いで刑事告訴する方針を固めました。
一方、大阪入国管理局は「個別の案件についてはコメントできない」としています。

弁護士中井雅人

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