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【解決事例】YouTubeでの名誉毀損動画 削除請求・発信者情報開示請求・発信者との和解

事件の概要

YouTubeでの名誉を毀損する動画について、裁判所での削除請求・発信者情報開示請求を経て、判明した投稿者と交渉により和解した事例を紹介します。

【相談前】

YouTubeにて、ある団体の名誉を毀損する動画が投稿されました。
投稿者は約100万人のチャンネル登録を有していました。
動画の内容は、アニメ化されたされており、アニメで描かれた当該団体のメンバーに事実と反することを発言させる等をしていました。
また、殊更に視聴者を煽るような言い回し・発声・描写がされていました。

【相談後】

インターネット上での名誉毀損やプライバシー権侵害への対応は、投稿者が誰なのかを特定することからはじまります。
2022年10月1日施行の「発信者情報開示命令」制度創設前の事件であったため、
投稿者を特定するには、IPアドレス等の取得と発信者情報(住所・氏名)の取得の二段階の手続が必要でした。
「発信者情報開示命令」制度がある現在においても、この二段階の手法は可能ですし、その方が有効な場合もあるとされています。

手続の内容

発信者情報開示 仮処分命令申立

本件では、まず、コンテンツプロバイダ(YouTube=Google社)に対し、投稿者のIPアドレス等の開示を求めました。

Google社は、任意では、IPアドレスの開示に応じませんでした。
そこで、発信者情報(IPアドレス等)開示を求め仮処分命令申立(裁判)をおこないました。
裁判所は、仮処分命令を出し、無事、GoogleよりIPアドレスが開示されました。

発信者情報開示請求

次に、Googleから開示されたIPアドレスを基に、接続プロバイダがAであることが判明しました。
そこで、接続プロバイダAに対し、投稿者の住所氏名等の発信者の情報開示をおこないました。

接続プロバイダAも同様、任意では、発信者情報の開示に応じませんでした。
そこで、発信者情報(住所氏名等)の開示を求め訴訟を提起しました。
裁判所は、接続プロバイダAが保有する発信者情報の開示を命じる判決を出しました。
本件では、接続プロバイダAの先に2つのサーバーやプロバイダを経由していたため、
その先のプロバイダ等に対し、上記判決を前提に、任意での発信者情報の開示を求めたところ、任意での開示に応じ、無事、投稿者の住所氏名等の発信者情報を得ました。

投稿者との和解

判明した投稿者に対し、当職が通知書を送付したところ、
投稿者側にも代理人が就き、投稿者の謝罪等も含む合意書締結に至りました。

Google社に対する動画削除請求

上記発信者情報開示請求の裁判と並行して、
YouTube=Google社に対し、動画削除を求める仮処分命令申立もしていました。
裁判所は、当方が求めたとおり、削除を命じる仮処分決定を出し、Google社もこれに従い当該動画を削除しました。
タイミングとしては、上記投稿者が判明する以前に動画は削除されていました。

ご相談ください

本件は、動画投稿者との交渉により和解しました。

YouTube上に投稿された動画について、名誉毀損であるかどうか確認したい、動画を削除してほしい、等のご相談はお早めにお問い合わせください。

料金表はこちら:標準報酬表

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