【解決事例】解雇された土木業現場労働者の地位確認請求と残業代請求 審判審判(初回)で和解

手続 労働審判手続申立
事件の種類 地位確認請求(解雇無効)・残業代請求
立場 労働者
事案の概要 Aさんは、土木業の現場労働者として期間の定めのない労働者として働いていましたが、現場で元請会社とのトラブルをきっかけに自宅待機が命じられ、そのまま解雇されました。

しかし、会社は解雇理由も述べず、解雇理由書も交付していませんでした。

Aさんには、現場への移動時間等についての時間外労働手当(残業代)が支払われていませんでした。

 

和解までの経緯

解雇通告から約3か月後に法律相談に来られ、当職が受任後、会社とのやり取りを経たのち、解雇から約6か月後に労働審判の申し立てを行いました。

解雇から約8か月後、初回の労働審判手続期日にて、解雇の撤回、解雇日に合意退職、会社からAさんに解決金を支払う和解が成立しました。

本件の特徴

Aさんは、当職に相談に来られるまでの約3か月間、労働局のあっせん手続を利用して解決を図ろうとしていましたが、相手方応じずでうまくいきませんでした。

元請会社(一次請)とトラブルがあったこと自体は事実ですが、問題視された行為が休憩時間中のことで、それほど重大な出来事ではありませんでした。しかも、元請会社(二次請)からの承諾を得ていたというのが当方の言い分でした。

Aさんが、泣き寝入りしなかった理由はいくつかおありだったと思いますが、ひとつには、今まで会社からの求めに従い、きちんと残業代が支払われていなくても休日労働、長時間労働に応じてきた、ということがあります。こんなに貢献してきたのに、この程度のことで解雇なんて許せない!ということです。

土木・建設労働者は、現場での滞在時間が法定労働時間内(残業なし)でも、移動時間も含めれば、長時間労働(残業あり)ということがよくあります。

この移動時間が全てが直ちに労働時間(残業時間)となるわけではありませんが、

いったん出社することが義務づけられていたり、会社から機材を運ばなければならない場合等は、移動時間も労働時間として認められる可能性があります。

本件では、客観証拠は乏しかったですが、Aさんの記録から、できるだけ詳細な長時間労働(残業)の事実を主張立証しました。

労働審判申立による解決事例

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弁護士中井雅人